「チョコレートケーキ」と一口で言っても、世界ではさまざまな種類が楽しまれています。ここでは「ガトーショコラ」や「ザッハトルテ」など良く知られているものから、あまりなじみが無いものまでさまざまな種類を紹介しましょう。
1.チョコレートとチョコレートケーキの違い
チョコレートは細かい製法は無数にあるものの、カカオ豆を細かくすすりつぶしたものに、カカオバターやミルク成分などを混ぜたものです。
ちなみに日本チョコレート・ココア協会では、「チョコレート」を以下のように基準づけています。
・カカオ分を35%以上含み、水分が3%以下のもの
・カカオ分を21%以上含み、乳固形分とカカオ分が全体の35%以上で、水分が3%以下のもの
・カカオ分を21%以上含み、乳固形分が14%以上で、水分が3%以下のもの
一方、チョコレートケーキはチョコレートを原料に含んだケーキで、こちらも種類は非常に多く存在しています。ただし一般的には、チョコレートを振りかけた程度ではチョコレートケーキとは呼ばないことが多いようです。
2.チョコレートケーキの種類
「チョコレートケーキ」の種類は非常にさまざまです。ここからはその種類とおおまかな特徴を上げて行きましょう。
2-1.ブラウニー
平らに四角く焼いたアメリカ生まれのチョコレートケーキで、濃厚さと柔らかさ、ナッツの食感が魅力です。チョコレート、ナッツ類、卵、ベーキングパウダー、薄力粉、グラニュー糖、ココアパウダーから作られます。
配合や焼き方に特に定義はなく、しっとりしたタイプや、クッキーのように硬さを持たせたもの、などさまざまな形態があります。
2-2.フォンダン・オ・ショコラ
フランスで生まれたフォンダン・オ・ショコラは、中心部まで熱を通さずに作るので、とろけるように流れ出してくるチョコレートが特徴です。
材料としてはチョコレート、卵、小麦粉、バター、グラニュー糖と手に入りやすいものから作られています。
2-3.オペラ
オペラは1955年にフランスで生まれたチョコレートケーキです。チョコレート、生地、クリームなどを何層も重ねることで、見た目の美しさと奥行きのある味わいで人気があります。リキュールを使ったり、コーヒー味のバタークリームを入れたり、柑橘系の酸味を加えたり、などバリエーションも豊富です。
2-4.ガトーショコラ
フランス語で「ガトー」はケーキ、「ショコラ」はチョコレートのことですから、本来ガトーショコラはチョコレートケーキの種類のひとつではなく、チョコレートケーキそのもののことです。
日本ではチョコレート、バター、生クリーム、卵、メレンゲ、小麦粉、砂糖を使ってオーブンで焼いたものをガトーショコラと呼んでいます。トッピングにベリー系の物を使ったり、粉砂糖をまぶしたりすることで、見た目の違いを出したり、甘さやほろ苦さの強弱をつけたり、と作る人ごとに工夫しやすい種類です。
2-5.クラシックショコラ
「クラシック」は「古典的」という意味を持っています。海外では日本で言う「ガトーショコラ」と同じ種類に含まれていたりもします。前述したようにガトーショコラがチョコレートケーキという意味で、クラシックショコラも同様に特定の種類ではなく、オーソドックスなチョコレートケーキという意味合いです。
日本では、チョコレート、卵、バター、小麦粉から作られており、スイートチョコレートを使うことが一般的です。
2-6.ザッハトルテ
オーストリアで1830年代から作られているという伝統あるチョコレートケーキです。チョコレートを含んだ生地の間にあんずのジャムを入れ、さらに外側をチョコレートでコーティングしています。また、フランボワーズ(ラズベリー)を使用しているケースもあります。
濃厚な味わいとジャムの酸味、コーティングしたチョコレートの美しさから「チョコレートケーキの王様」と呼ばれて親しまれています。
2-7.ブッシュ・ド・ノエル
フランスでクリスマスシーズンによく食べられるチョコレートケーキです。「ブッシュ」はフランス語で切り株を意味しており、「ノエル」はクリスマスですから、まさにクリスマスに食べるためのものですね。
なぜ切り株なのか諸説ありますが、作り方にも多くのバリエーションがあり、ココア風味を強くしたり、フルーツを入れたりすることもあります。ただしロールケーキと違ってチョコレートを使うのが一般的です。
2-8.ジャーマンケーキ
名前が「ジャーマン」なのでドイツで作られたのかと思う人も多いでしょうが、アメリカで1852年にサミュエル・ジャーマン氏が作ったチョコレートケーキです。
ナッツの歯ごたえとココナッツフィリングの味わいが特徴です。日本では沖縄に広く普及しているものの、他の地域ではあまり浸透していませんから、沖縄のお土産として扱われることもあります。
3.まとめ
チョコレートケーキの種類をまとめました。ただ、その作り方、配合などに特に決まりが無いものが多いので、お店や作り手の発想でチョコレートケーキのバリエーションは無限と言って良いほど広がっています。
ある意味、作ってみても、買ってみてもさまざまな違いを楽しめるのが「チョコレートケーキ」と言ってもいいかもしれませんね。